討論⑤ 9条は平和の基準となるのか? 

数値化できる平和の基準があれば…

 

参加者 環境問題とのアナロジーっていうと、環境税みたいな形でなんか数値化できる平和の基準があれば…。

参加者 そうそうそう。でもそういうのできるんじゃないですか、きっと。

参加者 売り買いする、平和税みたいな。具体的になにかわかんないですけど。

伊勢崎 これボトムラインはやっぱり日本の場合、お上志向があるから立花先生が言っておられたように、CSRとか企業とかね、コーポレーションとか、国のレベルの話をまず同時にやっていかないと無理でしょうね、現実的な話として。

参加者 でも多くの場合国の意思で戦争をやったら、そこよくわかんないんです、国がお金を出すっていうのは…。CSRに環境の項目を付け加えることに国がお金を出す、でも戦争を始めるのは国なんですよね。

 

9条がアジア全域においての信頼醸成に

 

伊勢崎 たとえばこういう見方もできる。ノルウェーとかスカンジナビア諸国には、日本の研究者が結構多いんですよ。9条なんかを研究している人が多くてね。そういう人たちに言わせると、9条という存在が、特に南東アジア、もしくはアジア全域・ASEAN地域において信頼醸成になっているって彼らはそう見る。

つまり、これだけの経済大国が、最初から戦争放棄をしている。このこと自体が、どれだけの安心感を与えているか、ってわかるでしょこれ。外から見るとそういうふうに見える。つまり安全保障、アジアにおける安全保障の核である、9条がね。これはある意味で防衛力にもなっているわけでしょ。イメージが作る防衛力にもなっているのもあるし、問題はそれをどう計量化するかなんですよ。だって反対の勢力は、外的な敵を想定して、それに対して軍備を作るわけだから。いわば数字の世界ですよね。はたしてイメージが作る防衛力ってのは、なかなか数字になりにくいでしょ。でも、例えばこれはプランニングの世界で広告業界の話になるんだけど、企業のイメージをゼロから作るって時に、広告に対するお金をどれだけ使わなきゃならないかって、これは半端なお金じゃないですよね。それと同じフォーミュラで、やっぱり査定してみたら良いんですよね。日本のイメージ、今持ってるイメージをゼロから作った場合、どれだけの広告費がかかるのかみたいなのをね、これがいわゆる防衛費なんだ、っていう形にすれば良いと思うんですけどね。今はこれはそれをどうやってやるのかわからないけど。

参加者 9条の経済的な価値は計算出来ない…。それがめちゃくちゃ大きかったら他の国も欲しいと思う。

立 花 めちゃめちゃ大きいよ。

参加者 でも出たら面白いよね。

伊勢崎 これを誰かシンクタンクかなんかがね、試算してくれないかな、思うんだよね。これも日本の問題なんだけども、独立したシンクタンクという概念が無いでしょ。アメリカではそりゃゴロゴロあるけど。企業が金出すわけだけど、日本無いでしょ。中立な立場で政策評価をするシンクタンク無いんだよね。

続く>